Episode 30 ; 決壊ギリギリ、ナナの心

ON AIR ; 2006.11.08

デビューの話に全く進展のないまま、
ナナは、昼間引越し屋のバイトをやり、夜はバンドの練習をする毎日だった。
週の半分くらいをレンの部屋で過したがすれ違いも多く、会えるのはほんの束の間。
2人でいると求め合う衝動を抑えきれないナナとレンに、
ゆっくりとお互いのことを話し合う時間はなかった。

そんなナナにとって、気になり始めたのが奈々のことだった。
ワガママで泣き虫で甘ったれ、その上、異常なまでの恋愛体質の奈々は、
上京後半年足らずで男はすでに3人目。
だが、バンドにとってペットのような奈々は、いるだけで場が華やぎ、みんなが活気付く存在だった。
その奈々が、初めて恋を知った少年のように、ナナの心をかき乱し始めていたのだ。

夏休みがあと3日で終わるという日、707号室では、美里がブラストの状況を心配していた。
仮契約後1ヶ月も経つというのに、ブラストは所属事務所すら決まっていない。
シンは、自分たちがレコード会社のスタジオを自由に使わせてもらっていたことから安心していたが、
仮契約の意味が分からない美里は、自分なりに気をもんでいたのだ。

その頃、奈々の身に大事件が発生していた。
相変わらずデモンストレーターの仕事をやっていた奈々は、仕事先で吐き気に襲われた。
奈々が心配したのは妊娠。
すぐさま妊娠検査薬を購入して、勤め先のデパートのトイレに駆け込んだ奈々は、
チェックのスティックに陽性の反応が出ていると気付き、愕然となった。

FROM NANA TV ANIMATION