Monologue of HACHI

あの頃 あたしは
誰かを上手に愛する事も出来ないのに
誰かに愛されたくて仕方なかった


JUNKO

あんたそーとー恨まれてるし
よけいな事しないで
そっとしといた方がいーよ


SHOJI

いや 言いわけとかじゃなくて!
ただ…
せめて ちゃんと謝んなきゃと思って


KYOSUKE

おまえが奈々に謝りたいと思うのは優しさじゃねぇ
単に 謝って自分がスッキリしたいだけだろ


HACHI

いらないよ
彼氏なんか
もう 恋なんかしない


Monologue of HACHI

ナナがいれば寂しくない
しかも女同士だから変な気も使わなくて済むし
妙なヤキモチとかもやかなくて済むし
安心してずっと一緒にいられるもん

それに比べて恋は
疲れるし
傷つくし
消耗品だよ
もう うんざりだ

あたしが欲しいのは彼氏じゃなくて
あたしを守ってくれるナイトなの
だけど現実にはそんな男
いない事くらいもう分かってる


HACHI

ねえ 知ってる?
次のバンドさ!
めちゃめちゃかっこいーんだよ!


MISATO

知ってますー!
超かっこいーですよね ブラスト!

特にボーカルのナナさんが!
女の子とは思えないほどパワフルで!


Monologue of HACHI

両足で踏んばって
立っているのが精一杯で
独り 置いてきぼりになる

ナナはそんな歌ばかり歌ってた

涙が出そうだ

それは あたしの気持ちだよ
遠くに行かないで ナナ


Monologue of HACHI

取らないでよ…
みんなして
あたしの居場所を取り上げないで


HACHI

また この子
ここに泊めるつもりなの?
ここはあたしの家でもあるんだから
勝手な事ばっかしないでよ ナナ!


Monologue of HACHI

その時
てっきりナナは怒り出すかと思ったのに
叱られた子供のような顔をした

思い返す度
胸が痛む

あの頃 あたしが もう少し大人で
ナナの弱さにきづいてあげていたら
今とは違う未来があったの?


Tweets

言葉は使い方を誤ると凶器になる。
しかも一度放ってしまった言葉は取り消しも言い直しもきかない。
人を傷つけるなんて簡単にできる。
人を温めることができるのもまた、言葉なのに。