Monologue of HACHI

あたしは今もナナの名前を呼び続けている
どんな痛くても
応えてもらえるまで


Monologue of NANA

約束を果たせなくてごめんね

あんたは覚えちゃいないだろうけど
広い庭のある立派な家を
あたしは本気で建てるつもりだったんだ

海の見える高台に
最新のシステムキッチンと地下スタジオ
あんたの部屋のクローゼットには
流行りの服を絶やさず取り揃えて

男に泣かされてばっかのあんたが
何度 出戻ってきても笑えるように


YASU

ナナ
行くなよ
寂しいじゃない


NANA

ふざけんな!
だったらてめえが来い!


Monologue of NANA

あれは忘れもしない
2001年3月5日
20歳の誕生日

あたしはあんたと出会った


Monologue of NANA

上京途中の列車で出会い
何の因果か一緒に暮らし始めた小松奈々(通称ハチ・ハチ子・ハチ公)は
わがままで泣き虫で甘ったれで
その上 異常なまでの恋愛体質で
しかも移り気で
上京して半年足らずで男はすでに3人目
なのに少しも汚れない不思議な女だった


Monologue of NANA

ハチは うちのバンドにとっちゃペットみたいな存在で
まあ 良く言やマドンナだ

ハチが そこで笑っているだけで
なんとなく場が華やいで
スタジオでもライブでもみんな活気づいた
それは どんな腕の立つ新メンバーが加わるより
意味のある事に思えた


Monologue of NANA

あんたは気づいちゃいないだろうね
自分の一挙一動が
今や台風並みの勢力を持って
あたしの気持ちをかき乱しているなんて

あたしはまるで初めて恋を知った少年のように
高ぶる想いが
決壊ギリギリ


NANA

あんたと話してると
マジメに悩んでる自分がアホらしくなるよ


REN

そりゃ良かった

おまえは昔から
物事を何でも暗く重く考えすぎるんだよ

ハチだって おまえに相当なついてるみてえだし
そこまで想われりゃうれしいだろ
思う存分 かわいがってやりゃいーじゃねえか
何の問題もねえよ


Monologue of NANA

誰か あたしを調節して

どうして未だに こんなに
胸が焼け焦げて熱いんだろう


TAKUMI

普段は忘れてるのに
うっかり思い出すと無性に恋しくなるのはなんでだ?


REN

なんだかんだ言って好きなんじゃん


MISATO

その美白美麗な顔立ちはハーフですよね


SHIN

僕もいかないよ
産まなきゃよかったんだ


Monologue of NANA

あの頃あたしには
譲れない夢があって
おかげで沢山のものを手に入れ
かけがえのないものを失くした

だけどがむしゃらに生きたから
もう何も悔やんでなどいない

ただ心残りはひとつだけ


Monologue of NANA

ねえ ハチ

あんた今

笑ってる?


Tweets

生まれてこなければよかった命なんて、この世には存在しないと思う。
だけど、ナナもシンちゃんも一番身近にいるはずの家族からの愛情を知らない。
それはなによりも人を孤独にする。
求めても手に入らないことがあるという現実を知っていても、
求めずにはいられない欲求にもがいてる。
どうすればそんな2人を救えるのかな。