Monologue of NANA

16の夏
煙草をセブンスターに変えた

レンが吸っていたからだった

同じ数だけピアスの数を増やし
お揃いのブーツで歩いて
同じベッドで眠り
同じ夢を見ていた

なのにレンはあたしを置き去りにした

あたしは心のどこかで
それを許せていなかったのかもしれない

母を許せなかったのと同じ様に


TAKUMI

結婚する事にしたから
おれ達


Monologue of NANA

何あれ
まるでタクミの忠犬じゃん


TAKUMI

おまえは
何の心配もせずに
おれの機嫌だけ取ってりゃいーから


NANA (PAST)

なんで使わないの?
いちごのグラス
気に入ってんだろ?


HACHI (PAST)

だって それ2個しかないし
もし 割れちゃったら…


NANA (PAST)

使わなきゃ意味ねえじゃん


HACHI (PAST)

そーだけど
お揃いが割れたら悲しいもん
使ってもいいけど 絶対大切にしてね


Monologue of NANA

よかった
きれいに重なった
もう悲しくない


NAOKI

愛が なくていーの!?


TAKUMI

愛なんて後付けだって
人間なんてしょせん みんな自分が一番可愛いんだから
己の欲望をより多く満たしてくれる相手を愛してしまうものだ


LAYLA

お願いが…
あるの…


SHIN

いいから
何でも言って
何でもするよ

お金は…
もういらないから…


LAYLA

ヤスの携帯の番号教えて…


NOBU

ナナ!
何やってんだよ もー
おまえは!
心配するだろ!


NANA

ノブ夫…
あたし…
やっぱり どっかおかしいかも…

自分が なんでここにいるか思い出せないよ
寝ぼけてるだけかな…


Monologue of NANA

いちごのグラスが
床に転がり落ちそうになった事までは覚えてる

あれは初めて2人で買ったおそろいのグラスだったのに

あたしは あのグラスをちゃんと受け止められたのかな


Monologue of NANA

あのさ ハチ

あんたの全てを受け止めるには
あたしの器は小さくて
安物のガラスみたいだった

だけど全てを失う寂しさに比べたら
ひび割れて行く痛みの方がマシだったんだ

あたしが脆かっただけ

あんたのせいじゃないよ


Tweets

ハチ子は大事なときにいつも逃げる。
章司のときもそうだったけど、今回もまたノブからもナナからも逃げた。
まぁ、逃げたのはナナも一緒だけど…
ハチ子はハチ子なりに、本当はいろんなことを考えているのに、いつも言葉にすることを避ける。
いろいろ考えていたって相手に伝わらないと意味ないのに…