Monologue of NANA

当時 あたしの部屋にはテレビも電話もなかった
おかげで一人
祭りに乗り遅れた

不愉快 極まりない


TAKUMI

奈々
どこ行く気だ


HACHI

家に帰ってナナの様子を見て来る
心配だから


TAKUMI

頼むからよけー事すんなって


HACHI

よけーな事じゃないもん!
タクミやっぱり人としておかしいよ!


TAKUMI

そー思うんなら
無理に結婚すんのなんか やめたら?

父親がおかしいんじゃガキもろくな人間に育たねえぞ
おれがいい例だ
親がいりゃいいってもんじゃねえよ

一人が心細いなら
実家にでも帰って育てりゃいーじゃん
心配しなくても養育費なら出すって
どっちみちこの騒ぎじゃ
おれは当分ここには来れねえから
好きにしろよ


JUNKO

もしもし 奈々!?
あんたタクミってまさかトラネスのタクミなの!?


HACHI

違うよ…
そんなわけないじゃん…


JUNKO

うそ!
正直に言いな!
そー考えたら全部のつじつまが合うんだから!


HACHI

淳ちゃん あたし…
べつに子供の為に無理に結婚するわけじゃないんだよ…

あたし ほんとは…
タクミの事 好きなの…


JUNKO

分かってるって…
良かったよ 自覚してくれて


SHIN

ノブさん…
なんか変だよ この番組
レンのスキャンダルを利用して
僕らのプロモーションしてるみたいだ


NOBU

悪ィけどおれ
川野さんの事 信用出来ねえよ!
調子いい事言っといて 嘘ばっかだし!
なんかもう…
おれ 誰の事も信じられなくなりそうだ…


KURATA

ナナは自分でネタ売ったんじゃないの?
トラネスの人気に便乗した売名行為だ!


YASU

あんたらさ
人の庭 荒らす暇あったら
てめえの花を咲かせろや


NANA

ばかやろう!
何かっこつけてんだよ!
てめぇの立場 考えろハゲ!


YASU

いーんだよ
これで心置きなくバクチが打てるぞ


Monologue of NANA

バカだ こいつ
うちのメンバーはバカばっかりかよ

ノブは親に勘当されても
女に捨てられても懲りずにギターにしがみついてるし
シンはこのままほっといたら破滅の道まっしぐらだし

あたしが歌わなきゃ
未来がないじゃない


KINOSHITA

あの 本城さん
彼女の事 フォローしなくてほんとにいーんですか?
マスコミに反撃に出たいなら おれは止めませんよ


REN

バンドってのはさ
言ってみりゃ
運命共同体だ

おれが今
守らなきゃならねえのは
昔 捨てて来た仲間じゃねえんだよ


Monologue of NANA

ばかばかしい

わざわざ何か言わなくても
レンはあたしの事よく分かってるし
あたしもレンの立場は分かってる

騒ぎ立てるまい

だけど今 どうしても
口に出さなければ伝わらない想いがあったのに
ぶち壊されてたまるか!


NANA

ハチ公 見てなよ
あんたの望みは絶対叶えてやるから


Monologue of NANA

あのさ ハチ

あの日から あたしが
何度 打ちのめされても 立ち上がれたのは
あんたがいつも見ていてくれたから


Tweets

前回、「ナナだけが変わってしまった」って書いたけど、レンのセリフを読んで思い直した。
レンにとってナナはどんなときも大崎ナナであることに変わりはないけど、
なにかあったときにレンが守ろうとするのは自分じゃなくトラネスだろうと、ナナはわかっていた。
そのことがどうしようもなく寂しかったんだ。