Monologue of HACHI

「一年の半分は雪に埋もれてるような所だから」

テレビの天気図の雪だるまのマークを見ながら
以前ナナが話していた遠い北の町の事を思った

いつかあたしもその雪景色を見る事が出来るだろうか
そこはタクミが生まれ育った町でもある


LAYLA (PAST)

アツシに飲むなって言われたんだったー
なんかヤバイもん入れた? リーダー


YASU (PAST)

ヤバかねぇよ
ただの惚れ薬だ


LAYLA

流れていた曲はニルヴァーナ
その年の春
大好きなカートがこの世から去って
初恋の人はどんなに追いかけても振り向いてくれないし
あたしは失意のどん底だったの

それでも笑っていられた理由がその時分かった
絶対大切にしようって心に誓った
なのに結局それも失ってしまった

どうして人はどこにもとどまれないのかな
でもとどまらないから前進出来るとも言えるよね


E-mail of LAYLA

今日はオフでレンと一緒に里帰りをしました
今夜はレンの部屋で飲み明かします
ここにいると忘れかけていた色々な事を思い出すよ
少しの間シンちゃんの事をしまいこんで昔の恋バナなんかしちゃう私を許してね
私に初カレが出来たのは、今のシンちゃんと同い年の時です


E-mail of SHIN

僕も今夜はナナさんの部屋で飲み明かす事になりそうです
ナナさんはレンがいないと寂しがって困るってレンに言っといてよ
僕は思い出話にやきもちはもう妬かないよ
レイラさんを取りまいていた全てのものが、今のレイラさんを作り上げたんだから


TAKUMI

ノブはともかく一緒にいるおれ達は今までの事
どれもなかった事には出来ねぇんだから
事実は事実としてありのまま受け入れろよ


Monologue of HACHI

なるほど そっか…
なんか変な人だとずっと思ってたけど
そこが変なんだ

タクミが人より冷たい感じがするのも
きっとそのせいだ
でもやっぱり本当は冷たいわけじゃない
タクミはありのままのあたしを受け入れてくれたし

タクミがいると心強く思えるのは
私情を絡めない判断をしてくれるからだ
だからタクミの言う事には揺らぎがない

タクミはきっと誰より分かってるんだ

人の感情はたやすく揺れ動いて
目に映るものはみんな まやかしで
そこには確かなものは何ひとつないって事


ASAMI

ノブはあたしがエロビデオ出てても平気なの!?


NOBU

それは別問題


ASAMI

もーいいよ 出てって
出てってよ!


NOBU

おれが出てったら何か解決するの?

おれと別れてまた仕事に戻るの?
どっちみち戻るんなら一人じゃねぇ方がいいじゃん

おれは何もしてやれないけど
してやれない自分がすげえくやしいんだけど
香坂百合があと半年
がんばってやり遂げる姿をちゃんと見届けるよ

そのあとは朝海一人ぐらい食わせてやれるようにおれもがんばるから

がんばれ


YASU

なんか変な感じだよな


MIU

何が?


YASU

なんでおれ おまえと二人で部屋で朝飯食ってんだろう


MIU

自分が誘ったんじゃない


YASU

そーだけど
なんか順番が違う感じがしない?


MIU

何の順番?


YASU

なんかいきなりデザートから出て来たみたいな

もしかしたら
朝食ってのは一日の始まりと言うより締めくくりなのかもな
一緒に夜を過ごした者同士の
きっとそのあと一日が始まるんだよ


YASU (PAST)

見えねえ方がちゃんと見える事もあるよ


LAYLA (PAST)

どーゆー意味?


YASU (PAST)

目を閉じれば分かるよ
視覚以外の五感が冴えるんだ

この時間この場所は波の音しかしない事とか
明け方の空気が澄んでる事に気づいたりする


LAYLA (PAST)

ほんとだ…


Monologue of HACHI

ねえ ナナ

人の感情は たやすく揺れ動いて
目に映るものはみんなまやかしで そこには確かなものは何ひとつない

だけど月は欠けているように見えても
本当は常に形を変えずにそこに在るって事

忘れないでね


Tweets

目に映るものの多くがまやかしばかりだということは、誰しも分かっている。
それでも信じてしまうのは、人が弱く儚い生き物だから。
どんなに離れていても、会えない時間が長く続いても、移ろうことなく、
目には見えない心の繋がりを信じられる強い人になりたい。