臨海都市ボーダムにほど近い、エウリーデ峡谷のエネルギー・プラントで事故が発生した。 事故原因など、詳細はいっさい公表されなかったが、厳重すぎた情報統制は、かえって大衆の不安を誘った。 「下界のルシによる破壊工作では」という噂が流れ、 下界からの侵略を数百年にわたって恐れてきたコクーン社会に、疑念と動揺がくすぶりはじめる。