3-3 : 混沌たゆたう神殿

天使は翼を取り戻した。
ギサールたちの協力で、伝説の白チョコボ「ヴァルハラの天使」の傷は癒え、いつしかライトニングとの間に絆が生まれている。

だが、この出逢いを導いてくれた声の正体はわからないままだ。
ライトニングはチョコボとともに「大いなる混沌」が眠るという女神の神殿をめざす。
「さだめられし出逢いが、汝を混沌出ずる処へ導く」と告げた、謎めいた声のとおりに。

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神殿にたどりついたライトニングの前に立ちはだかったのは、かつての宿敵カイアスだった。
世界に「不可視の混沌」を解き放ち、崩壊と滅亡を招いた張本人は、
自らを「死すらも許されない、無意味に存在する屍」とうそぶく。

カイアスはライトニングの生命力を奪い、神殿の闇へ去った。
ライトニングは消耗も厭わず、混沌が渦巻く神殿に踏み込む。
「大いなる混沌」の謎を突き止めるために。

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ライトニングは「大いなる混沌」の正体を知った。それは代々の巫女ユールたちの魂だった。
幾度となく死と転生を繰り返し、混沌に融けて重なりあった、幾多の魂の歪んだ集合体。
矛盾する想いを抱えた、人外の悪霊。
ユールは危険すぎる存在、新しい世界に生まれ変わってはならない存在だった。
だからこそカイアスは救済を拒んだ。
ユールたちの願いに縛られて、死ぬ自由さえ失った彼は、ユールとともに滅びゆく世界にとどまることを選んだのだ。
彼らが背負った混沌は、解放者の力をもってしても、救いきれない深い闇だった。