デイブレイクタウン -Daybreak Town-
▼2番街
---$ No.541 エフェメラと最後にあった場所に向かおう 1
# エフェメラと最後にあった場所に向かおう。
▼地下水路
---$ No.545 エフェメラと最後にあった場所に向かおう 5
 スクルド ; ここが、エフェメラと最後に会った場所?
 スクルド ; きっとこの先に秘密があるのね……
 チリシィ ; 本当にここから先に進むの?
 チリシィ ; さっきの黒装束や黒いチリシィ…… 何か嫌な予感がするよぉ……
 スクルド ; 君、この塔の中の構造は知ってるんだよね?
 チリシィ ; う、うん……
 スクルド ; じゃあ、案内して。
 チリシィ ; わかったよ……
 チリシィ ; でも、本当は立ち入りを禁じられているから、少し覗いたら、すぐ帰るんだよ。
 スクルド ; 約束する。
▼予知者の部屋
---$ No.555 時計塔の中を進もう 10
 スクルド ; ここは?
 チリシィ ; ここが最後の部屋…… 予知者様たちの部屋だよ。
 スクルド ; エフェメラはここまで来たのかな?
 チリシィ ; 見てのとおり誰もいないし、何もないよ……
 チリシィ ; 置いてある物を勝手に触るのはダメだし、約束どおり、もう帰ろうよ。
 チリシィ ; 誰かに見つかったら大変だよぉ……
 スクルド ; そうだね…… ここには何もないか……
 スクルド ; 何だか肩透かしだったなぁ。エフェメラの夢は何を意味してたんだろう……
 ??? ; 何をしている。
 全員 ; !
 チリシィ ; マスター・アセッド様……
 スクルド ; すみません! 私たち、友達を捜してて。
 アセッド ; チリシィ、おまえが付いていながら、何故ここに入ることを許した?
 チリシィ ; すみません……
 アセッド ; 先日もここに侵入した者がいたが、彼が君たちの友人なのか?
 リア ; はい。
 スクルド ; 彼を、エフェメラを知っているんですか?
 アセッド ; 彼が所属していたユニオンは、我ら、ウルススとは、相反する目的でルクスを回収していた。
 アセッド ; 彼が君に近寄ったのは、我らのユニオンの情報を探るため。
 アセッド ; 彼にもう会う事はできない。
 スクルド ; まさか…… エフェメラを……
 アセッド ; ……消えてもらった。
 チリシィ ; リア……
 スクルド ; 許せない……
 アセッド ; どうする気だ?
 チリシィ ; ダメだよ、スクルド!
 チリシィ ; マスター・アセッド様!
 チリシィ ; 今日の一件はすべてボクの責任です! どうか二人を許してください!
 スクルド ; リア……
 リア ; マスター様、今日まで自分はこの世界のために、光を回収し、ユニオンに尽くしてきました。
 リア ; 仲間だと思っている同士でも競い合ってきました。
 リア ; それも、この世界のためなら仕方がない事だと、その意味を考えない様にしてきたんです。
 リア ; でも、そんな時、そんな単純な疑問を問いかけてくれた。それがエフェメラです。
 リア ; 彼との出会いはほんの一瞬だったし、約束も破られて、そんなに楽しい思い出ではないけど、心に大きく存在しています。
 リア ; それはきっと、彼が友達だからです。そんな友達を奪われた……
 リア ; この怒りと悲しみの感情が闇を意味する事であっても、自分はどうしても抑える事ができません。
 リア ; もし、マスター様とキーブレードを交えたとしても、自分が無事で済むとは思いません。自分も消えてしまうかもしれません。
 リア ; それでも、きっとエフェメラがこの場にいたらこうするでしょう……
 リア ; マスター・アセッド、キーブレードを構えてください。
 アセッド ; 来なさい。
 チリシィ ; リア!!
 アセッド ; 怒りと悲しみに飲まれる事なく、よく戦いましたね。
 チリシィ ; アヴァ様……
 アヴァ ; リア、スクルド。
 アヴァ ; あなたたちの心の強さを確かめさせてもらいました。
 アヴァ ; さっきまで戦っていたマスターも場所も、私がここで作った幻影。
 スクルド ; どういう事ですか?
 アヴァ ; エフェメラが夢で告げたとおり、もうすぐこの世界の終わりが来るでしょう。
 アヴァ ; もしこのまま世界の終わりに全員が巻き込まれれば、キーブレード使いはそこで途絶えます。
 アヴァ ; それは避けなければいけない。
 アヴァ ; 私は自らの使命を遂行しはじめました。
 アヴァ ; ユニオンの隔たり関係なく、優秀なキーブレード使いたちを後の世界に残す準備です。
 チリシィ ; 後の世界に、残す……?
 スクルド ; あまりにも唐突な話で……
 スクルド ; 結局、エフェメラはどうなったんですか?
 アヴァ ; 今話したとおり、この世界は終わりに向かっている。
 アヴァ ; エフェメラが疑問を感じ、調べていたのは、ある意味、それを感じはじめていたからでしょう。
 アヴァ ; 彼は誰よりも早く真実に近づいた。
 アヴァ ; だから、お願いをしたの、私の代わりに、ダンデライオンを導く様に。
 チリシィ ; ダンデライオン?
 アヴァ ; 後の世界に残るキーブレード使い。それがダンデライオン。
 アヴァ ; 世界の終わりに立ち会わない者たち。
 アヴァ ; そのダンデライオンを組織するのが私の役目。
 アヴァ ; でも、私は世界の終わりに立ち会わなければいけない。
 アヴァ ; だから、私がいなくなった後、残った者たちを導いてもらう為に、エフェメラには、もう別の場所で待っていてもらう事にしました。
 スクルド ; 別の場所…… じゃあ、エフェメラは無事なんですね?
 アヴァ ; この世界が終わるのは、キーブレード使いの中に、闇に飲まれた者がいるから。
 アヴァ ; 黒いチリシィに出会ったと思うけど、あれがその証。
 アヴァ ; 後の世界に闇の力を残さない様に、私はあなたたちキーブレード使いの心を揺さぶって、
 アヴァ ; わずかな闇に飲まれない者を、ダンデライオンとして選んでいる。
 アヴァ ; だからあなたたちにもお願いしたいの、ダンデライオンに加わる事を。
 スクルド ; わかりました。
 スクルド ; どうしたの? リア。
 リア ; その、ダンデライオンに選ばれない、大多数のキーブレード使いたちは、どうなってしまうんですか?
 アヴァ ; この世界の最後、キーブレード戦争に向かう事になるわ。
 スクルド ; キーブレード戦争……
 アヴァ ; それはもう避けられない……
 リア ; ダンデライオンへの参加は、考えさせてください。
 スクルド ; リア!
 アヴァ ; わかりました、強制はしません。
 アヴァ ; ただ、混乱を起こさない様、この事は他言しないでください。
 チリシィ ; どうして、参加を保留にしたの?
 チリシィ ; 参加すれば、エフェメラ君にも会えたかもしれないのに。
 リア ; エフェメラは大切な友達だよ。
 リア ; でも、これまでいっしょに戦ったキーブレード使いのみんなも、大切な仲間だから。
 チリシィ ; そっか……
 スクルド ; 私の話、していい?
 スクルド ; 実は私がキーブレード使いになって、パーティーを作っても誰も入ってくれなくてさ、
 スクルド ; そんな時にエフェメラが入ってくれたの。ずっと二人のパーティーだったんだけどね。
 スクルド ; しばらくしてパーティーのメンバーも増えはじめて、みんなでいっしょにルクスを集める事に必死になってて……
 スクルド ; エフェメラと二人で話す機会も減って、そんなある日、
 スクルド ; スクルドはもう大丈夫だって言って、彼はパーティーを去って行ったの。
 スクルド ; それからも私はパーティーのメンバーと、ルクスを集める事に夢中になってた。
 スクルド ; でも、気づくとパーティーのメンバーが減りはじめてて、結局また一人になってたんだよね……
 スクルド ; エフェメラはきっとパーティーを去った後も、私の事を心配してくれてたんだと思う。
 スクルド ; だから君に会う様に言ってくれたんだと思う。
 スクルド ; 君は色々気づかせてくれた。でも、私はエフェメラに会って、お礼を言いたい。
 スクルド ; だから参加したいって思った。
 スクルド ; また、会おうね。
 アヴァ ; 今日もまた、これまでの任務に準えた訓練になります。
 アヴァ ; 既に体験した事の追体験になりますが、それはまるで夢の中の世界、こことは別の空間での……
 アヴァ ; ……あなたたちは希望です。
 アヴァ ; いずれ争いがはじまる。
 アヴァ ; 同じ光を守護したいと願う者同士が、ただユニオンの隔たりというだけで、競い合った友人と敵同士になってしまう。
 アヴァ ; 私も、どこまで正しい導きを続けられるかわかりません。
 アヴァ ; 自らの闇に飲まれ、争いの中心でキーブレードを振るうかもしれません。
 アヴァ ; でも、この戦いに勝者はいない、すべてが消滅するだけです。
 アヴァ ; だけど、あなたたちは希望の種として残ってほしい。
 アヴァ ; もしこの先、その争いが起きた時、あなたたちだけは争いに参加せず、外の世界に旅立ってください。
 アヴァ ; 日々、こうして別の訓練を繰り返すのはその為です。
 アヴァ ; あなたたちにキーブレード使いの未来を、光の世界を託します。
 アヴァ ; 鍵が導く心のままに。