デイブレイクタウン -Daybreak Town-
▼???
---$ No.920 謎の怪物を退治しよう
 ブレイン ; やっぱりな……
 ブレイン ; チリシィ。
 チリシィ ; すごく久しぶりじゃない?
 ブレイン ; ああ、でも、ずっと近くにいるんだろ?
 チリシィ ; まぁね。
 ブレイン ; 早速だけどさ、頼みがあるんだ。
 チリシィ ; えええ〜。久しぶりに呼ばれたかと思ったら、パシリなの? うざ〜〜〜。
 マレフィセント ; さっきから人の気配を感じないけど、ここも"でーた"の中なんだね?
 ??? ; ああ、この先にある塔を目指すんだ。
 マレフィセント ; あそこに元の時間に戻る方法があるのかい。
 ??? ; あの塔から現実世界に戻り、現実世界の塔の奥に隠された箱舟を探すんだ。
 マレフィセント ; 箱舟?
 ??? ; 箱舟は、元々異空の海への脱出用として造られた。
 ??? ; しかし制作途中で放置され未完成のまま。
 マレフィセント ; 未完成? それじゃあただの箱じゃないか。
 ??? ; 未完成だからこそあんたに必要なのさ。行き先は異空の海じゃなく未来の世界。
 ??? ; 未完成が故にスピードに生身の体が耐えられない。
 ??? ; つまり、乗れば肉体を失い心だけが箱舟に残る。心だけになって光速で時間の壁を破ることになる。
 マレフィセント ; 心だけだって? 生身の体はどうするんだい?
 マレフィセント ; 実体のない存在になって元の時間に戻ったところで、それじゃまるで幽霊じゃないか。
 ??? ; 行く先の未来に自分肉体を形成できる媒介、そして自分を記憶する者たち、
 ??? ; これらが存在すれば、心は再び自らの肉体を形成し、その器へと戻るはずだ。
 マレフィセント ; 口で言うのは簡単さ。でもそんな保障あるのかい?
 マレフィセント ; 肉体を形成する媒介、自分を記憶する者、それらが未来にあるという保障がね。
 ??? ; あるさ。予知書では、あんたは未来に存在する。
 マレフィセント ; ?!
 マレフィセント ; あんた、予知書の中身を知ってるのかい?
 ??? ; すべてではないがな。
 エフェメラ ; こんなところに呼びだすなんて珍しいね。
 ブレイン ; 二人で話したいことがあってさ。
 エフェメラ ; それはなおさら珍しいね。
 ブレイン ; 俺はこの丘で、アヴァ様からユニオンリーダーになるように言われたんだ。
 エフェメラ ; そうなんだ? 俺もここだったよ。
 ブレイン ; アヴァ様は、予知者様たちの中でも変わった人だったね。何て言うかこう……
 エフェメラ ; 話しやすかった。
 ブレイン ; そうそう。
 ブレイン ; 実は、エフェメラ君には話しておかないといけないことがあってさ。
 エフェメラ ; うん?
 ブレイン ; ユニオンリーダーの5人の内、一人にだけ予知書を託すことになっていたらしんだ。
 エフェメラ ; 予知書を?
 ブレイン ; うん、予知者様たちがいなくなった世界でも、他の世界を形成して光を集められるようにね。
 エフェメラ ; でも、他の世界は事前にデータに移されてたんじゃ?
 ブレイン ; そう、だから万が一の保険みたいなものだね。
 ブレイン ; データに問題が発生した場合のマスターデータのようなもの。
 ブレイン ; 実際、まったく使わずにここまで来た。
 エフェメラ ; え? ブレインが予知書を持ってるの?
 エフェメラ ; !!
 ブレイン ; 予知書よりこのメモなんだけど、ユニオンリーダーに任命される5人の名前と、
 ブレイン ; 予知書を託すべきリーダーにしるしが付けられている。
 エフェメラ ; これは……
 ブレイン ; そう、本来予知書を託されるべきリーダーは俺じゃない。
 ブレイン ; その入れ替えだけじゃなく、リーダーにも入れ替えが起きてる。
 ブレイン ; ストレリチア、ラーリアムの妹が、本来ユニオンリーダーの一人になるはずだった。
 エフェメラ ; そんな……
 ブレイン ; そして、予知書を託すべきリーダーを入れ替えたのはアヴァ様なんだ。
 エフェメラ ; どうして?
 ブレイン ; あえて予知書を託すリーダーの入れ替えを行うことで、決められた未来が書き換わる可能性に賭けたかったんだ。
 ブレイン ; アヴァ様の、せめてもの運命への抵抗。俺はそう受け取ってる。
 ブレイン ; でも、ユニオンリーダーの入れ替えは、アヴァ様の意図ではないと思う。
 エフェメラ ; ああ……
 ブレイン ; だから直接聞きたいと思ってね、本来リーダーではなく、入れ替わった人物に。
 エフェメラ ; ……
 スクルド ; 何だか寒くなって来たね。
 ヴェントゥス ; うん、雪でも降りそうだね。
 スクルド ; え〜寒いの苦手だなぁ。
 ヴェントゥス ; そう? 俺は嫌いじゃない。
 スクルド ; あ。
 ヴェントゥス ; データの世界にも雪は降るんだね。
 スクルド ; そうね……
 スクルド ; 現実世界のデイブレイクタウンでも、雪、降ってるのかな。
 ヴェントゥス ; うん…… みんなどこに行ったんだろ?
 スクルド ; ブレインと、多分エフェメラは、元の世界に戻る方法を探してると思う。
 スクルド ; ラーリアムは妹さんの手掛かりを探してるんじゃないかな?
 ヴェントゥス ; そうか…… 俺たちはどうする?
 スクルド ; うん……
 ヴェントゥス ; とりあえず、雪だるまでも作る?
 スクルド ; そうね、もうしばらく、何かを楽しもうって気持ち、忘れてた。
 ヴェントゥス ; みんなも見てるかな?
 スクルド ; うん。
 チリシィ ; あ〜いたいた、塔の中を探しちゃったよ。
 ヴェントゥス&スクルド ; ?
 チリシィ ; ちょっと来てほしいんだけど。