DAY 50 シオンがくれた貝殻
何が起きていたのかわからない。
ずっと夢を見ていたような気がする。
目が覚めたら枕元に貝殻が置いてあった。
貝殻の数と同じくらいの日数眠っていたらしい。
誰が置いたのかわからなかったけど、時計台に行ったらシオンがもうひとつ貝殻をくれた。
毎日拾って枕元に置いてくれていたらしい。
貝を耳に当ててみたら波の音がした。なぜかなつかしい。
眠っている時に見ていた夢もなつかしい感じがしたような気がする。
覚えているのは白い部屋にいる赤い服を着たヤツ。
たぶん俺と同じくらいの歳だと思う。
白い何かにのまれていった。
あと、覚えているのは女の子の声---。
「そろそろさぼる頃だと思ったんだよね」って。
どういう意味だろう?
でも、シオンの声に少し似てた気がする。