自身の胸に宿る女神の心臓を滅ぼし、不可視の混沌を解き放つこと。 それがカイアスの宿願だった。そのために、彼は待ち続けた。 己を凌駕し、「混沌の心臓」を止めうる資質を持った者--- ノエルが現れた時、彼は切札を手に入れた。 この手で「女神の門」を開けぬ時は、ノエルに女神を殺させる。 その時、時空のほころびが戻っていなければ、解放された「混沌」の力は、 「門」をみずから粉砕するだろう--- 彼は、そこに賭けた。