イミテーション・セラ

世界を救うための時空の旅を、無意味な失敗だったとセラは言う。
忘却してしまいたい過ちの記憶だと。
そこに存在した想いや、数々の出会いも、すべて切り捨てて新世界でやり直したいのだと---
目をそらしてきた違和感が、どうしようもないほどにふくれあがる。
これはセラではない。
人の心を理解できない神が、私が再会を望んでやまない妹に似せて造りあげた模造品にすぎないのだ!