ホープとの別れ

やはりホープはおぼえていた。
「前だけ見てろ。背中は守る」--- 私がまだ何者でもなかった少年に投げかけた言葉。
昨日までのホープはそれを知らなかった。
いよいよ世界が終末を迎えるこの日、
もはや私の監視役は必要ないとブーニベルゼに棄てられたがゆえに、自由を得たホープの魂は本来の彼に立ち戻ったのだ。
ホープ--- 消えゆく前におまえが残してくれた助言を、私は忘れない。
モーグリにあとを託し、背中を守ってくれていることも---