人の命が有限だったころ、機械は無限の代名詞だった。500年前にそれはあべこべになった。 機械は古びていつかは壊れ、人間は歳を取らずにいつまでも生きる。 遺跡で私が出会った壊れかけのロボットは、閉じ込められた仲間を助けようと最後の力を振りしぼった。 大好きな人間たちが数百年、壁の向こうで生きていると信じて。 その結末が残酷だったとは、私は思わない。 とうに息絶えていた人間たちもまた、機械の友の無事を願っていた。 そこに有限と無限、有機と無機の垣根は存在しない。