希望は残酷だ。希望があるから人は夢を見る。
過酷な現実をはねのけて、夢に手を伸ばそうとする。
たとえそれが自分をマリオネットのように踊らせる理不尽きわまりない予言であっても、ノエルは従うしかなかった。
そこに示される未来に、遠い過去に失った少女がいたのだから。
時詠みの巫女ユールと再びめぐりあうことだけが、
ずれた時空の未来世界で最後のひとりになったノエルが手放さなかった望みだったのだから。
ならば私はその残酷を取り除くと誓おう。新しい世界で、ふたりが当たり前の幸福をつかめるように。