常識やルールは、時代と場所でさまざまに変わる。立場でも、なりわいによっても。 ウィルダネスの荒ぶる自然の中に生きるヤクトの狩猟団にとってのルールとは「ルール無用」だった。 狩りの獲物はこちらの決まりになど従ってはくれない。 どんな手を使っても目的を達成する--- たとえ誰かにまかせきりにしてでも。 そんな新米ハンターの口車に乗せられて入団の手伝いをしてしまったが、こういうのも悪くないと思えてきた。 誰かを信じて、とことん頼る。それは私の思考に欠けていたものだ。