解放者としての使命を順調に遂行するライトニングに、神はささやかな「報酬」をあたえた。
最愛の妹セラとの、一瞬の再会を許したのだ。
現れたセラは実体のない影ではあったが、声も姿も、すべてが本来のセラそのもの。
ライトニングは妹の復活を確信して希望を抱く--- はずだった。
ライトニングの胸に人間らしい喜びはなく、機械のような冷静さだけがあった。
神の干渉を受けたさいに、自分の心から「感情」が欠け落ちたのではないか?
何か大切なものが、失われてしまったのではないか---?
そのことに対する不安や怒りの感情もまた、湧いてこないのだった。