研究者への道なかばで、親の導きを失ってしまった鑑定士の少年。 以来、彼は永遠の迷子になった。 遺物の価値を見定めようにも、盗賊の多くは砂漠を去り、少年の価値を認めてくれる者はいない。 孤独の殻に閉じこもり、退屈に身をゆだねて世界の終焉を待つ彼を救うことができたのは、 少年が一度は捨ててしまった父の遺品だった。 息子の未来へと託された親の想い--- それに気づいた魂は、再び道を歩みはじめる。 新世界に引き継がれるだろう、強い決意とともに。