記念の品は時に、鎖以上に心を縛り上げる。 私が太守の部屋で見つけたのは、スノウとセラが贈り合った婚姻を誓うペンダント。 引き離されたふたりの1000年変わらない愛の形。 それはスノウを囚われ人とするのか、あるいは虚無から解き放つのか---? 私はただ、あの遠い日を思い出す。 ふたりに結婚の意思を告げられたとき、私は怒り、セラを叱りつけた。 その胸に輝くペンダントが、たったひとりの肉親を、私から取り上げてしまう象徴のように思えたのかもしれない。