カイアス・バラッドは、人が背負うにはあまりに重い罪を犯した者。 時を詠む力と引き換えに短すぎる生を繰り返す巫女ユールの運命を許せず、世界を壊してしまった男。 すべての人間に己と同じ永遠の生を負わせた罰を、カイアスはその身に受けようとしている。 新世界への転生を拒み、滅びゆくこの世界に、混沌と化した無数のユールとともにとどまろうとしているのだ。 私が歩む解放の道は、犠牲なしには成り立たないのか? ブーニベルゼの導きの光は、影となる彼らを切り捨てるものなのか。