目覚めないから笑えない、笑えないから目覚めない---
ドッジを500年の昏睡から引き戻す鍵はあくまでサッズ自身だった。
思いつめたサッズの心はごつごつした岩の塊になっていた。
ドッジが飛び込みたいのは柔らかく、しかししっかりと抱きとめてくれる草原だった。
サッズの弾けそうなまでに張りつめた気持ちがほぐれたとき、あっけないほど自然にドッジのまぶたは開き、父子の再会は果たされた。
私とセラの関係も、もしかすると似たようなものなのかもしれない。
ひたすらにつかもうとせず、引くことで掌に舞い込んでくる羽毛のように---