奇石地帯をテリトリーにする、暴走した機動兵騎---
それは、かつてホープとふたりで旅した、コクーンのガプラ樹林に配備されていた試作騎と同型のものだった。
あのとき、聖府に追われる絶望の中で、ホープ、おまえは自分の無力を噛みしめながら、
母を失った怒りで心を奮い立たせていたな。
そんな危ういおまえに、私はセラから贈られたナイフを貸した。武器としてじゃない。
私にとって大切なナイフを持つおまえを、必ず守り抜こうと、そう思ったんだ。
多くの想いが私から抜け落ちた今でも、その気持ちは変わっていない。
ホープ--- 支えあって強敵に立ち向かったあの日を、おまえはおぼえているだろうか。