存在しなかった世界 [ソラ]
そのころ、イェン・シッドのもとでは---
ミニーがさらわれた事件を解決し、イェン・シッドのもとへと戻った王様たち。
いっしょについてきたリアはイェン・シッドに何ごとかを要求する。
イェン・シッドはゼアノートの再来を予感して一刻の猶予もない事を考え、想定外の一手として、リアの要求に応じる事にした。

王様たちはいよいよソラとリクの事が心配になってきていた。
イェン・シッドはゼアノートがいまのソラとリクには近づけないはずと考える。
いくつかの可能性を話し合い、そして王様はついに真相にたどりつく。
ゼアノートは自ら肉体を失い、あの時あの場所でリクの肉体を乗っ取った。
すべてゼアノートの計算の内だった。
王様はソラとリクを助ける為に旅立った。


7つの眠りの鍵穴を開いてソラがたどり着いた場所は、かつてXIII機関が支配していた世界だった。
不思議がるソラの前にシグバールが現れる。
シグバールは自分たちがソラを誘導してきたことを明かし、ソラを深い眠りにおとしいれる。

ソラは白髪の青年の話を聞いている。
すべては茶ローブの人物、アンセムが自分の前に現れた事が始まりだった。
次に「デスティニーアイランド」が闇にのまれる直前、アンセムはリクの身体を乗っ取った。
そして何度も訪れた「トラヴァースタウン」。
気がつくとソラを追い越して王様たちが駆け抜けていく。
王様たちを追って角を曲がったところで、ソラはナミネと会い、見知らぬ黒コートの少女と出会う。
なぜか涙を流していたソラは、少女を追いかけようとするが視界が歪んでいく。

ソラは黒コートの後ろ姿を見つけて声をかける。
黒コートの人物が振り返るとロクサスだった。
ロクサスがソラの手を取ると、ロクサスの悲しみの記憶がソラに流れ込んだ。

ソラはリクとカイリの後ろ姿を見つけて駆け出す。
ソラが追いついて振り返った二人はソラの見覚えのない人物だった。
「ヴェン」と優しく声をかけられたソラの姿はヴェントゥスになっていた。
手を差し伸べる二人の手を取ろうとすると、再び二人の姿はリクとカイリになって振り返って歩き出す。
ソラは追いかけようとするが足が思うように動かない。
やがてソラの視界はまぶしい光に覆われる。
ソラは幼い頃の記憶をめぐらせていた。
ソラの視界は何かに引っ張られるようにして遠ざかっていく。

ソラが幻だと思っていた事は夢だった事をシグバールが明かす。
ソラの問いかけにシグバールはノーバディにも心があることを認める。
そこに現れたゼムナスとともに機関結成の真の目的を語る。
衝撃を受けるソラだったが、キーブレードの力を信じゼムナスに立ち向かう。

ゼムナスを退けたソラは体力を使い切って倒れ込む。
その身体からは黒い瘴気が立ち上っている。
そこに白髪の青年が現れ、胸の印が自分たちをソラに近づけた事を明かす。
白髪の青年はソラを13番目の器として迎える為に必要だったという。

ソラはリクの名を呼び、深い闇の中に堕ちていった。

深い闇へ堕ちていくソラを一つの光が追いかける。
ソラの身体が完全に闇に覆われそうになった時、光が包み込んでソラは鎧をまとっていた。
鎧をまとったソラはふわりと闇の床に身を横たえる。