ゼアノートレポート10
やはり、ヴェントゥスの体では心を取り出す事に耐えられず、
純粋な闇の心を持つヴァニタスを生み出す事には成功したが、ヴェントゥスは眠ったままとなった。

純粋な光の心、ヴェントゥス。
純粋な闇の心、ヴァニタス。
この二人を育て、いずれこの二つの心を交差させれば、Χブレードが完成する。

しかし、ヴァニタスの闇の心が強大過ぎたのだ。
ヴェントゥスの心は壊れ、光の心は消えかけていた。
せめて安らかな場所で眠らせてやるため、脳裏に浮かんだ場所は、我が故郷であった。

そして自然と足が向き、気づけばあの時旅立ちを決意した海辺に立っていた。
故郷を出て一度も戻った事はなかったが、本当に何一つ変わっていない、まるで時が止まったかのような静かな場所。
ここならヴェントゥスも静かに眠れるであろうと思っていたが、眠るヴェントゥスがキーブレードをかかげたのだ。
光の心はまだ消えてはいなかった。