兄弟弟子であるエラクゥスは、光を絶対のものとして考えているが、光は闇があってこその光。
我は光と闇の均衡こそが、世界を保つバランスであると考える。
しかし、闇を排除し過ぎた現在、世界のバランスは崩れている。
現状の光の秩序を一旦崩し、闇の台頭によって、世界を再編する必要がある。
エラクゥスと意見の対立の後、世界を放浪した。
少年時代に故郷を離れて以来、ようやく自由を手に入れたのかもしれない。
しかし、すでにキーブレードマスターとなった自分には、もはやこれといった目的もなく、
正統後継者ではない自分に残された使命は後進の育成くらいしかなかった。
本来、キーブレードマスターとなった者は弟子を取り、キーブレード使いとしての教えを説き、次代へつないでいかなければならない。
だが、我が故郷を捨ててここまで歩んだ道の最後をそれで迎えていいのだろうか?
いや、未だ自分の目で確かめたい事も多いまま、静かに最期を迎えてしまっていいのか?
気づけばこの肉体もすっかり老いていた。
