裏アンセムレポート13
明日、ソラがめざめる。
長きにわたった我が復讐の、終わりが始まる。

私のすべてを奪ったゼアノート。
ハートレスとしては滅びたものの、XIII機関を率いる奴の野心は再び"大いなる心"たるキングダムハーツをめざしている。

奴のハートレスは、世界の心を集めて形成したキングダムハーツから大いなる闇を呼び寄せようとしていたが、
奴のノーバディは現在、人の心を集めて形成したキングダムハーツを同化を果たそうとしている。

愚かな弟子だ。

ひとつだけ謎が残っている。
我が城の地下に出現した扉を、ゼアノートはどうやって開いたのか------?

いや------すべてが終わりを迎える今となってはあらゆる理論はもはや無意味だ。

ロクサス、アンセム、ナミネ。
理論上存在が許されぬはずなのに、それでも確かにそこに在った、特異な例外。

私やXIII機関が組み上げた理論は、強い心の持ち主たちに、ことごとく超えられてきた。

ソラ、カイリ、リク。

ああ、リク。
彼の心には闇につけこまれる弱さがあったが、苦しみの果てに見出した希望を支えとして踏みとどまり、
敵である心の闇さえも自らの力として身につけた。
すべてが終わったら、ソラとあの島に帰れることを、心から願っている。

できることなら私も"輝ける庭"へ帰り、美しい水と花、希望にあふれた民の笑顔を再び目にしたかった。

王よ、我が友よ。
私が記した真実の記録が、いずれ君の目にふれると信じている。

君とまた楽しく語らいたかった。
復讐にとりつかれた愚かな私を許してほしい。