無の中で闇を友とした私の選択は、間違ってはいなかった。
闇を拒むのではなく、また恐れるのでもなく静かなる心でまっすぐに見つめたその時、私は新たな力を得た。
人を超える力------闇の力。
ゼアノートたちはこの力に魅了され、やがて虜となったのであろう。
無論、私は彼らのように闇にむしばまれて心を喰われるつもりはないが。
この新たな力により、私は無の世界から外界へつながる道"闇の回廊"を見出した。
自由な往来はまだ難しいものの、追放の時はもはや終わったのだ。
私はゼアノートたちの目をあざむくために新たな力で姿を変え、光ある世界へと戻った。
やはりゼアノートはハートレスと化していた。
私の名をかたってハートレスどもを従え、さまざまな"世界の心"を奪っていたのである。
ゼアノートは奪い集めた"世界の心"の中心、
すなわち"キングダムハーツ"から大いなる闇を呼び寄せ、すべてを闇に回帰させようとしている。
なお他の5人の弟子たちは姿を消していた。
ゼアノート同様にハートレスとなったのか?
あるいはゼアノートに利用されたあげくに消されたのか?
真相を追ううち、私は特異な"存在"を知った。
生命が心を失った時に残される、魂と肉体。
ハートレスが生じる時、光の世界から消え去るそれらは、
異なる世界において、まったく新たな存在として生まれ変わっていたのだ。
