トワイライトタウン
呼びかける声に導かれたソラは、見知らぬ屋敷で目を覚ます。
ここで長い眠りについていたようだが、いきさつは思い出せない。
外へ出てみると、初めて来たはずの街なのになぜか心当たりがある。

わけがわからないまま、たそがれの街をさまよううち、路地裏でハイネとピンツ、オレットと知り合った。
彼らは駅で、ソラたちをさがしている人物を見かけたという。話を聞くと、どうやらそれは王様らしい。
駅へ急いだソラたちだったが、突然現れた敵の大群に囲まれてしまう。
ピンチを救ってくれたのは、黒いコートをまとった戦士---王様だ!

ところが再会を喜ぶ時間はなかった。
「早く電車に乗って街を出るんだ! 」
それだけ言い残すと、王様はお金の入った袋をソラに渡し、姿を消してしまう。
だが闇の世界に残ったはずの王様が戻っているということは、リクもどこかで無事だということだ。
「一緒に島へ帰るんだ。カイリが待ってる島へさ! 」
リクをさがそうと決意するソラ。もちろんドナルドとグーフィーも一緒だ。
さあ、再び旅を始めよう。王様の言葉どおり、電車で街を出なければ。
見送りにきてくれたハイネたちとも、ここでお別れだ。
彼らとは初対面だったのに、別れ際のソラはなぜか涙がこぼれるのを感じていた------

正体のわからない切なさを抱えたまま、電車にゆられて着いた場所は、さびしげな塔の下。
塔の入口にはドナルドたちの知り合いがいた。いつも悪さばかりしていたピートだ。
王様が異空間に閉じこめたのだが、魔女マレフィセントに助けられ、手下になったのだという。
ピートはハートレス軍団を集めて、王様の師匠イェン・シッド様をハートレスにしようとしていた。

ハートレスであふれる塔を登りつめるとイェン・シッド様が待っていた。
「キーブレードに選ばれし少年よ。そなたが光の扉を開くカギだ」
話によると、ノーバディという新たな敵が光をおびやかしているらしい。
強い想いを抱いた者がハートレスになると残された抜け殻が意志を持ち、動き出すことがある---それがノーバディだ。
ノーバディを率いているのは、XIII機関という組織なのだが、その目的は謎につつまれている。
そこで王様は、XIII機関の目的を探ろうと旅を続けているのだという。
王様に会えたら、リクの行方もわかるだろう。

王様をさがそうと決意したソラは、出発の前に小さくなった服を替えることにした。
3人の妖精たちから、力を秘めた新しい服を贈られて、旅立つ用意がととのう。
あとはイェン・シッド様が準備してくれたグミシップで飛び立つだけだ。
キーブレードが放つ光に従ってゲートを開けば、世界と世界をつなぐ新しい道がどんどん広がってゆくという。

そう、すべてはつながっている。はなればなれになった心も、きっと。
さあ、新たな冒険の始まりだ!


再びトワイライトタウンにやってくると助けを求めるビビの姿が。
駆けつけた空き地で、サイファーたちを襲うノーバディを倒すと、XIII機関の一員サイクスが現れて警告する。
単独行動に走ったアクセルが、ソラをハートレスにしようと狙っているらしい。
リクについても何か知っているような言葉を残してサイクスは闇へ去った。

サイファーから、街で一番強い者のあかしにトロフィーを押しつけられるソラ。
そこへピンツが通りがかり、あわてた顔でたずねる。
「君、カイリって子、知ってる? 」
ソラをさがしてトワイライトタウンに来たカイリが、アクセルにさらわれたという。
「カイリを助けなくちゃ! 」
そう決意したとき、サイファーがくれたトロフィーのクリスタルが輝き、新たな道が開かれた。

この道は、きっとカイリとリクにつながっている。
そう信じて、ソラたちは再び旅立つ。


闇の世界で見つけた箱に、アイスと一緒に入っていたのは、トワイライトタウンの屋敷を写した写真だった。
手がかりを求めて屋敷を訪れると、ノーバディに襲われたハイネたちが倒れていた。
彼らは、この屋敷が入口だと考えたのだ。

「もう一つのトワイライトタウン!? 」
ソラたちが持つ手作りの袋やクリスタルボールなど、世界に一つしかないはずの物がなぜか二つ存在する。
それは「こっち側」のトワイライトタウンとよく似た「あっち側」の街が、どこかに存在している証拠だという。
「こっち側にないものは、あっち側に行っちゃったんだよ」とピンツ。
街から消えたカイリも、もう一つの街にいるのだろうか------?

そんな話をしているところへ王様が現れた。
王様は、XIII機関の本拠地に向かった賢者アンセムを追ってきたという。
王様ははっきり言わなかったが、一緒に行けばリクにも会えそうだ。
王様によると、この屋敷のコンピューターが「あっち側」のトワイライトタウンにつながっており、
その街のどこかに闇の世界へ通じる扉があるという。
コンピューターは、パスワードでロックされていたが、ソラたちはヒントに気づいた。
屋敷の写真と一緒に入っていたアイスだ!
そう、パスワードは「シーソルトアイス」。
賢者アンセムの好物の名前を入力すると装置が動き出して光を放つ。
もう一つのトワイライトタウンに通じる道が開けたのだった。

もう一つのトワイライトタウンへやってきたソラたちは、王様とともに、闇の世界への入口をさがす。
それは地下の大広間で不気味に口を開けていた。
闇の世界に乗り込んだものの、押し寄せる敵に苦戦するソラたち。
ピンチを救ったのはアクセルだった。彼はカイリをさらったことを謝ると、すべての力をふりしぼり、敵を全滅させる。
「どうして? 」というソラの問いにアクセルは消えかかりながらつぶやく。
「------ロクサスに会いたかった。あいつといると俺にも心があるようなそんな気がしたんだ」
力を使い果たし、消滅してゆくアクセルは最後にソラの進むべき道を開いた。

とらわれたカイリへとつながる道を。